強い皮膚を作るATP-CUEゲル
ATP-CUEゲルとは
アトピー性皮膚炎を100%治す技術はまだ確立されていません。
- 薬ではないのでもちろん副作用の心配はない。
- より天然成分を使用して皮膚にやさしい。
- 人工でも植物性でもない人間のセラミドの近い動物性(馬)のセラミドを高濃度使用することで(一般の化粧品の約10倍)、その人の皮膚の力を活性化し、皮膚自体が強く育ち、掻いても掻きこわしにくくなる。
- 細胞を満たすセラミドと同じゲル状で、ベタつかず、伸びがよく、服が汚れにくいなど、これまでのワセリンやクリーム状の軟膏の悩みも解消。
- ATP CUEゲルは薬ではありませんので副作用の心配はありません。他の薬(外用剤)と混ぜてもご使用になれます。
- ATP CUEゲルは皮膚を保湿するためのクリームですので化粧下地としてもご心配なく使っていただけます。
ATP CUEゲルが開発された経緯
良質な保湿剤の開発へ向けて
皮膚の表面は角質細胞という細胞が幾層にも重なっており、その細胞と細胞の間を脂肪酸やセラミド、コレステロールといった脂質が満たしています。
そしてこの脂質によって肌はうるおい、外部から刺激物が侵入してくるのを防いでいます。 また、一番下に重なった角質細胞が皮膚表面に来てはがれおちるまで通常1ヶ月半かかり、皮膚は生まれ変わります。
ところが、アトピー性皮膚炎の皮膚はこのサイクルが1週間と短く、しっかりとした角質層が作られないため、外部から刺激物が侵入しやすく、皮膚に水分が保たれません。
少し専門的に言うと「バリア機能」と「水分保持機能」が低下した状態です。
このため、感染症を起こしたり、乾燥したりしてかゆみが増し、さらに掻いてバリア機能と水分保持機能を低下させるという悪循環に陥ります。 これがアトピー性皮膚炎の恐ろしさです。
角質層を満たす脂質に代わる保湿剤
そこで必要になるのが角質層を満たす脂質に代わる保湿剤です。
これまで一般的に使用されてきた保湿剤は、バリア機能と水分保持機能を満たす尿素を配合したクリームや、バリア機能を保護するワセリンなどの軟膏でした。
しかし、刺激性があったり、べたつきといった不快感があったり、人によっては逆にかゆみが増したり、症状が悪くなるといった副作用があるのが現状でした。
こう見てくると、バリア機能と水分保持機能を満たし、副作用がないのが理想の保湿剤と言えるでしょう。
この条件を満たすには、人工的に作られた薬品(セラミド)ではなく、人間と同じ動物の脂質が必要になります。 しかし、ここで問題になるのはそのセラミドの質を上げ、含有量を増やすとかなりのコストがかかってしまい、誰でも手に入れるのは難しいということでした。 そのため、これまで理想の保湿剤は作れても大量生産されなかったという経緯がありました。
そういった問題を解決し、当院院長が開発したのが『 ATP CUEゲル 』です。 セラミドも馬のセラミドを使い、その含有量も増やしました。
ATP CUEゲルは、生産が難しいのなら自分たちが開発しようと生まれた理想の保湿剤です。
当院では、患者さんの訴えに応じ、数種類の保湿剤を順次使い比べるとともに症状に合わせた保湿指導を心がけています。
正しいスキンケアと「オクラ種子」がかゆみをブロック
ゲルクリーム開発へ
掻いてもっと悪くなると言うアトピーの悪循環をたち切るために大切なことは何でしょうか。
その答えは私たちの目の前にあります。
もともとアトピーの肌に少なかったもの。
それは皮膚を守るための“皮脂とセラミドの量”でしたね。それを足してあげればいいのです。それこそアトピーを改善する正しいスキンケアです。
そんな簡単なことで本当に治るのか?とみなさんは思うかもしれません。
そうですよね。それで良くなるのであれば、どこでもそういう治療をするはずと思うのは当然です。
では、なぜその簡単なことがなかなか行われないのでしょうか?
その答えはズバリ「皮脂とセラミドの量を足すことが難しかったから」です。
単純な答えですが、これが事実です。
これまで皮脂とセラミドの量を足そうと、ワセリンやさまざまなクリーム類が使われてきましたが、(全ての人ではないのですが)どうしてもそれが刺激になってしまい、逆に症状を悪くしてしまうことさえありました。
また、足せないのならかゆみを止めようとステロイドが正しい使い方をされずに副作用が問題になったりもしてきました。
では「どうしたら安全で確実に皮脂とセラミドを足せるのか」、これが私の長年の研究テーマになりました。
そして、色々と試行錯誤をくり返し、皮脂とセラミドの量をアトピー肌にやさしく足すには、
“人間の皮膚の成分に近いセラミド(ゲル状で動物性のセラミド)を使う”
“より自然な成分で刺激が少ない”
といったことが大切だと分かりました。
しかも、このゲルなら
アトピー肌にやさしく皮脂とセラミドを足すだけではなく、
“皮膚自体の力も活性化させてくれる“
“吸着に優れ、よく伸び、服が汚れにくく洗濯しやすい“
“厳選された天然成分「オクラ種子」が辛い痒みを抑える“
といううれしい効果もあります。
ところが、ゲルの量と質を良くするためには時間とコストがかかってしまうことも分かりました。
ですが、私は独自にコストを抑え、セラミドを沢山含んだスキンケアクリームを開発しました。
そうして生まれたのがこの『 ATP CUEゲル 』です。
その使用者の声によって新しく生まれたのが『 うるおいゲルクリーム 』です。
正しいスキンケアはアトピー肌に足りない皮脂とセラミドを満たし、かゆみの根本をブロックします。 もちろん薬ではない、人間の皮膚により近いかたちのセラミドですから副作用はいっさいありません。
よりやさしく、強い皮膚を作るサポートをします。
※『 ATP CUEゲル 』と『 うるおいゲルクリーム 』に限らず、スキンケアはアトピーにとって基本です。
刺激の有無は個人差ですが、身近なものでスキンケアしてみることもとても大切です。ぜひ、正しくスキンケアする基本方法も学んでください。
アトピー治療の基本は正しいスキンケアです
『 ATP CUEゲル 』または『 うるおいゲルクリーム 』は、刺激が少なく、人間により近い成分のセラミドで作られているため、アトピー肌が失っている“皮脂とセラミドをおぎなうのに理想的なゲルクリーム”です。
※ ただし炎症や傷がひどい時にはしみることはあります。
入浴とその後のスキンケア
1. 入浴
シャワーよりもぬるいお風呂に15分程度つかることで、十分に水分を浸透させる。 入浴剤を使いたいときはなるべく刺激の少ないものを使用。
2. 洗浄
ボディシャンプーではなく石けん(刺激が少ない)を使用。 皮膚をなでるように洗い、ゴシゴシ洗わない。炎症や乾燥がひどいときは洗わなくても良い。
3. 保湿
下の表を参考に乾燥の状態に合わせてATPCUEゲルやうるおいゲルクリームを使用。 塗り方は、皮膚が乾ききらないうちにゲルを皮膚に軽くのばすように塗る(浴室で体を拭ききらないままゲルを塗るのも効果的)。けっしてすり込んだりゴシゴシ塗らない。
塗り方
軽度 | ATP CUEゲルを水(ミネラルウォーターなど)を加えて水性にしたものを広範囲にうすくのばして塗る。 |
---|---|
中度 | ATP CUEゲルを水などで薄めず、そのまま塗る。 |
重度 | ATP CUEゲルを水などで薄めず、そのまま塗った後、上からワセリンなどの保湿剤を重ね塗りする。 |
※ 乾燥がひどい場合、浴室でタオルで拭ききらずにゲルを塗った後、湿らして脱水をかけたTシャツなどを着てそれに濡れてもよいトレーニングウェアのようなものをしばらく着ているのも良い保湿になります。
入浴しない時のスキンケア
入浴する以外にも日に1,2回はスキンケアできることが理想的です。
1. バリアコート水や強酸性水を使用の場合
水を噴霧した後、それを拭き取らずにゲルを皮膚に軽くのばすように塗る。けっしてすり込んだりゴシゴシ塗らない。
2. 保湿のみの場合
ゲルを皮膚に軽くのばすように塗る。けっしてすり込んだりゴシゴシ塗らない。
ATP CUEゲルの使用経験
材料および方法
1) 対象
2005年6月から同年10月までの間に芝皮フ科クリニック外来を受診した、生後5ヶ月から45歳までの軽症から重症のアトピー性皮膚炎患者112名(男性37名、女性75名)を対象とした。
2) 使用軟膏
プラクリティ皮膚研究所の ATP CUEゲルを使用した。
3) 使用方法および期間
いわゆるアトピー皮膚、およびドライスキン部位に、それまで使用していた保湿剤(いずれも非ステロイド系)と併用させ重層塗擦させるか、保湿剤を中止し単純塗擦させた。外用回数は1日1から2回とした。
4) 効果判定
使用開始して2・4週間後に同一観察者により使用部位の皮膚の状態を観察し、使用開始時のそれと比較し、以下のように判定した。
●著効…皮膚症状が消失したもの。
●有効…使用開始時の皮膚症状より明らかに軽快したもの。
●無効…使用開始時よりわずかに軽快、および無変化のもの。
●悪化…使用開始時より皮膚症状が悪化したもの。
5) 副作用
使用中の経過を本人、または保護者より聴取し、同時に皮膚の状態を観察して刺激症状の有無、使用感などから総合的に判断した。
使用結果
1) 皮膚変化の改善効果
効果 | 著効 | 有効 | 無効 | 悪化 | 計 |
---|---|---|---|---|---|
人数 | 6 | 91 | 14 | 1 | 112 |
ATP CUEゲルをアトピー皮膚炎を主体とする乾燥皮膚症状に試用した結果、112名中著効6名、有効91名、無効14名の成績を得た。すなわち、有効以上のものは112名中97名(86.6%)を占めた。 傾向としては軽症〜中程度の症状により効果がみとめられた。
2) 副作用
外用時の刺激および発赤を訴える者が1名認められた。
全成分表
表示名称 | 配合目的 |
---|---|
水 | 基材 |
グリセリン | 保湿・湿潤剤 |
BG | 保湿剤 |
スクワラン | エモリエント剤 |
ローズ水 | 皮膚コンディショニング剤 |
イソドデカン | エモリエント剤 |
エチルヘキサン酸セチル | エモリエント剤 |
トリエチルヘキサノイン | エモリエント剤 |
シア脂 | エモリエント剤 |
(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー | 乳化増粘剤 |
ベタイン | 保湿・湿潤剤 |
ジグリセリン | 保湿・湿潤剤 |
セレブロシド | 皮膚コンディショニング剤 |
デキストリン | 皮膚コンディショニング剤 |
加水分解オクラ種子エキス | 皮膚コンディショニング剤 |
カミツレエキス | 皮膚コンディショニング剤 |
ビサボロール | 皮膚コンディショニング剤 |
水添レシチン | 皮膚コンディショニング剤 |
リゾレシチン | 乳化剤 |
グリチルリチン酸2K | 皮膚コンディショニング剤 |
アラントイン | 皮膚コンディショニング剤 |
グリチルレチン酸ステアリル | 皮膚コンディショニング剤 |
PEG-15ラウリルジメチコンクロスポリマー | 感触改良 |
オクタステアリン酸ポリグリセリル-6 | 活性剤 |
ベヘン酸グリセリル | 活性剤 |
ポリソルベート60 | 乳化剤・可溶可剤 |
ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル) | エモリエント剤 |
イランイラン油 | エモリエント剤 |
トコフェロール | 酸化防止剤・皮膚コンディショニング剤 |
メチルパラベン | 防腐剤 |
※ パラベンの配合について
防腐剤としてパラベンが微量ですが含まれています。最近、このパラベンは細胞に毒性があるとして気にされる方がおります。そのためパラベンを使わず、 フェノキシエタノールにヒノキチオールを混ぜたり、その量を極力抑えたりする傾向が一時期はありました。ところが、あまり抑えすぎるとカビが生えてしまうこともあります。さらに、パラベンはごく微量で防腐効果があるのに対し、他の防腐剤は量を増やさなければ効果が上がらず、結局のところ、パラベン以上に細胞に対する毒性が高くなってしまったり、刺激があることが分かりました。つまり、現在毒性を抑えて防腐効果が得られるのはパラベンが最も優秀です。